楽天を応援する

楽天が日本で Kobo という読書用端末を出すことになりました。値段は八千円弱。これはソニーなどのバカ高い端末と比べれば半額以下になるのですが、実はアメリカでは100ドルで売られているから、まあ、ごく普通の値段です。ソニーの T-1 だってこちらでは130ドルで買える。refurbish した製品とか時々見掛ける安売りでは100ドルを切る値段で売られることもある。しかも Kobo は、実質もう一年近く前の製品ですから、安く売られて当然なのです。

しかも楽天は電子書籍の販売を海外の子会社にまかせているため、日本の税金を払う必要がない。円高もうまく利用すれば、格安の端末を販売することができる。

もしも日本の電子書籍市場をアマゾンに独占されたくないのなら、楽天はこれを機会に Kobo を猛烈に売り込むべきでしょう。それこそ、銀行やホテルとタイアップして、口座を開いたり、ホテルに三日泊ったりしたら Kobo を一台進呈するとか、いろいろなキャンペーンを考えるべきです。消費者としてもアマゾンが市場を独占しているような状況は好ましくありません。巨大な怪獣、ベヒーモスが動き出す前に楽天がスタートダッシュよくある程度の地歩を確立しておくことは大切です。

ところがこれに対して、日本の出版界から、楽天は税金逃れだ、などという非難の声が上がっているらしい。まったく莫迦につける薬はない。楽天は金を投資して Kobo を買取ったのであり、日本の税金を支払うことなく、海外から書籍を販売することはまったくの合法である。電子書籍が大きな市場になることを知りつつ、今まで何もしてこなかった出版社が、抜け駆けは許さないと楽天にいちゃもんをつけているだけ。日本で自炊が盛んなのは(実は海外でも Jisui という言葉が使われたりするほどなのだ)日本で電子書籍がさっぱり売られないことへの不満の表れなのです。日本の出版社はそんなことはわかっているけれど、電子書籍の取り組みに積極的じゃなかった。そしてアマゾンが来て自滅するのをじっと待っていたのです。(別に努力をしない企業なんて、滅びたってかまわないのだけれど。)

それに比べれば楽天のほうがはるかに会社として立派です。去年楽天が Kobo を買収したときはわたしもびっくりしたが、しかしこれはいい買物をしたな、と思いました。わたしは Kobo の販売部のプレゼンを何度か聞いたことがあるのですが、彼らは非常に進取の気に富み、意欲的な人々です。しかも分析力があって、電子書籍という新しい市場の特徴をきっちり把握している、あるいは把握しようと常に努力している。わたしの周囲の友人たちも(もちろんアメリカの話だ)、Kobo は資本金の潤沢な企業によって書籍事業が支えられるし、楽天は Kobo の書籍事業のノウハウを手に入れられるから、これは双方にとってよい買収ではないかと話していました。楽天には先見の明があったのですよ。

こういう努力もせず、計画性も持たない日本の出版社が「税金逃れだ」とはしゃらくさい。

ところが日本の政府は、楽天のように海外から書籍を販売しても税金が取れるように法律を改正することを考えているらしい。「まじめにやっている会社が損をしないようにする」というのが改正をもくろむ動機らしいが、企業努力をせず、消費者の期待に応えない企業を「まじめにやっている会社」などと呼ぶことじたいお嗤いです。しかも TPP がはたしてこんな法律を許容するかはなはだ疑問。

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