Konrath と Crouch の新作!

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ミステリ作家の J. A. Konrath 氏から宣伝用に新作 Stirred の書評を書いてほしいと一カ月くらいまえに頼まれました。ちょっと時間がたってしまったけれど、約束だから書きましょう。

まずなぜ書評を書くのに時間がかかったかということを言い訳しておきますと……

決して読むのをなまけていたわけじゃないんです。出版前の原稿をもらってからすぐに読み出したんですから。ただこの作品はわたしの苦手なタイプの本だったのです。映画で言うと「ソウ」に似ている。そして「ソウ」はわたしは見るのがイヤな映画なんですねえ。ゾンビものは大好きなんですが……。それで380ページのうち、最後の100ページ、おそらくもっとも「ソウ」的な内容が展開されているであろうクライマックスの部分がどうしても読めなくて困っていたのです。しかし、原稿を受け取ってから一カ月もたってしまったし、しょうがないから最後の部分は読まずに、書評を書くことにしました。逆に「ソウ」がお好きな方は、この本は絶対楽しめると思いますよ。ハイ。

Konrath 氏から書評の依頼があったのは一年前の Draculas 発刊以来です。あれは共作でしたが、今回も Blake Crouch との共作。この作品の目玉は、Konrath の生み出したヒロイン、ジャック・ダニエルスと、Crouch の生み出した最悪の殺人鬼ルーサー・キングがガチでぶつかるという設定になっていることでしょう。

ジャック・ダニエルスは(この作品では)シカゴ警察のもと警部です。女だからといって見くびっちゃいけない。数々の凶悪犯とたたかってきた敏腕警部です。英語には「天使も入るを恐れるところ」という言い方がありますが、これは「ジャック・ダニエルスも…」と書き換えるべきでしょうね。それくらい彼女は勇猛果敢、マッチョな男を越えたマッチョな女です。本編では妊娠して腹ボテ状態なのに、殺人鬼にむかって毒ガス渦巻くなかを突っ走る。

一方ルーサー・キングはいわゆるサイコです。変質者で、でも妙に知能指数が高そうな、残酷無比の殺人者です。パズル仕立ての連続殺人を仕組んだりして、本当に「ソウ」のあの殺人鬼とよく似ています。

共作者それぞれが大切に育ててきたキャラクターが激突し、さらにどちらのキャラクターもこの作品を最後に姿を消すのですから、作者たちは面白いものを書こうと必死になっています。恐怖シーンあり、お笑いあり、ちょっとしたロマンスあり、派手なアクションあり、とにかく読者を楽しませようとする意気込みが非常によく伝わってきます。

章立ては短く、場面や視点が次々と変わり、決して飽きがきません。しかも描写には映画的なグラフィックさがあります。わたしみたいな心臓の弱い人間には読むのがつらくなるようなグラフィックさが……。
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tkaoru

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