コンピュータだって「損をして得を取る」

コンピューター将棋は先に損をする指し方はできない、たとえば向かい飛車からの、いわゆる「2五桂馬ポン跳ね」みたいな手はささない、などという言う人がいます。しかし、はたして本当にそうなのでしょうか。

floodgate 持ち時間二時間半 Shueso 対 GPSShogi_X5470_8c から。

2010103001.jpg

図は後手 GPS が7四歩と突いたところ。ここから GPS は、▲5八金△7三桂とおだやかに駒組みを続ける手順を想定していました。しかし Shueso は銀損の攻めを見せます。(残念ながら Shueso の読み筋は表示されていません。)

▲3五歩
△同歩
▲同銀
△3四歩
▲2四銀 !!

2010103002.jpg

この形は後手の3四歩で棒銀の攻めが続かないと思い込んでいたから、銀が突っ込んだ手にはびっくり。

以下、

△同歩
▲同歩

となって次の図。

2010103003.jpg

ここまで進んでようやく先手の意図がわかりました。7一や4一に角を打ち込んで金気の駒を取り、2三に打ち込もうということですね。飛車先を突破すれば駒損でも優勢。

GPS は次に6九角と打ったのですが、このときの局面の評価は先手が+1186。角打ちからの攻めは支えきれないと判断し、反撃に出た模様です。すると2四銀という、一見してとんでもない先手の攻めは成立しているのでしょうか。後手に歩がないのはつらいけど、銀得だからなにか受ける筋があると思うんだけど。

しかしこのあと後手は結局2四銀と歩を払いました。王頭にダモクレスの剣のように歩が垂れていたのでは戦えないと見たのですが、それなら先手は同飛車で、手数がかかりこそすれ、棒銀で銀を交換したも同然です。その直後、先手は飛車切りから一気に後手陣を攻略しました。

後手の GPS も6七角などという見事な攻防手を指してきたり、なかなか見ごたえのある中盤でした。
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