文化的共有を守るために

詩人で学者の Lewis Hyde が Common as Air: Revolution, Art, and Ownership という本を書きました。彼は文化、共有、創造などといったテーマについて一貫して考えてきました。1983年に出版した The Gift という著作はこの手の問題を扱った現代の古典と見なされています。クリエイティブ・コモンズの Mike Linksvayer が新しい本の出版にあわせて著者にインタビューをしており、それが CC Talks With
Lewis Hyde, author of Common as Air: Revolution, Art, and Ownership
というブログ記事になっています。

長いものだし、論点が多岐に渡るので要約はしませんが、そのなかで特にわたしが興味深いと思った部分をやや短縮して訳しておきます。違法行為も文化的共有地を守る一つの方法なのだ、という部分です。

Mike Linksvayer
共有地を維持するには定期的な「境界破壊」が必要ですね。共有地には常に私有化のフェンスが張り巡らされるから。文化的共有地の維持のためには三つの方法が考えられます。
(1)文化的共有地の建設・拡張。Creative Commons の戦略。
(2)共有地が奪われそうになったときにそれをはねかえす。フェアユースなどの縮小化に反対する。
(3)現行の体制を意図的に無視する。違法なファイルシェアリング、意識的な盗用。
Common As Air には第三の方法について言及がないようですが、こうした「境界破壊」についてのお考えを聞かせてください。

Lewis Hyde
文化的共有地を守る方法を上手にまとめてくださいました。三番目の方法についてちょっと付け足しますと、私の本にこの方法が全く書いてないということではありません。「ベンジャミン・フランクリンは海賊行為の始祖」という章があります。フランクリンがボストンの印刷業見習いから逃げ出したとき、彼は法律を破ったのです。そして兄から受け継いだ技術的知識をいわば「盗んだ」のです。さらにいい例は、独立戦争後、彼がフランスにいたとき、イギリスの職人たちにイギリスの反国外移住法を無視して、機械とノウハウをアメリカにもってこさせているんです。イギリスから見たら、これははっきりと海賊行為です。

その他のところで、わたしは十八世紀にスコットランドが本の盗用をしていた事実を議論しています。ロンドンの出版社は自分たちが権利を所有していると考えていた本で、最初の著作権法をめぐって法律的な闘争が引き起こされました。決着がつくのに五十年ほどかかったのですが、その結果スコットランドの出版社は違法な盗用をしていなかったことが明らかになりました。むしろロンドンの出版社はパブリックドメインに柵を作ろうとする独占論者だった。ここでも「盗用」という非難は、実際には共有地拡大の先触れなんです。

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